2010年7月19日月曜日

帰国後考えた、コネクタブルな世界

 友達の結婚式があるということで、3年ぶりにハワイを訪れた。
 前回は、パートナー企業の営業部長がハワイ島で結婚するというので、行ったのが最後だった。その前は、さらにさかのぼる事3年、親友の結婚式で、これはオアフ島に。その前は、2002年~2005年頃に西海岸に出張で行き来しており、帰りに、毎回オアフに寄って、放電して帰ってきた記憶がある。もう随分行っている計算だ。

 この流れの中でイーサーネットがはじめてホテルの部屋まで来たのが、4~5年前くらいのタイミングだった。それ以前は思い起こすと、データポート付きのIWATSUの電話機に、電話のジャックを挿して、AT&A系のISPのフリーダイアルに、「ピーヒャララ」で繋いでメールを取っていたことを思い出した。随分とインフラも整備されてきたわけだ。

 今回は、知人の結婚式に夏休みをプラスして、ハワイ島とオアフ島の両方に合わせて8日ほど滞在した。もはや、ホテルの中は、イーサーネットは当然で、WiFiもいたるところで拾える。当然といえば当然である。オアフ島に至っては、ビーチや街中でも公衆WiFiが飛んでいて、まぁ、どこでもコネクタブルな状態であった。

 しかし、である。
 ホテルのインターネットが「有料」だった。いまどき、「え?」という感じ。格安ホテルなら、わからなくもないが、ハイクラスのホテルである。しかも、24時間で20ドル程度も取る。いまどき、情報を取るのにそんな金を払う人がどこに居るのだろうか、と。しかし、繋がないと困る。8日間も東京を空けるわけだ。メールくらいちゃんとやっとかないと、仕事が滞る。仕方なく、僕からすれば、その途方も無い料金を支払うことにした。ハワイ島はしょうがない、と思いつつ、オアフ島のど真ん中のハイクラスのホテルへ場所を移す。もちろん、部屋にはイーサーネット、そこらじゅうに、WiFiだ。しかし、ホテルのイーサーネットは、やはり料金を求めてくる。それも、前述の料金と同じくらいの値段である。おいおい、またか。ここまでくると、ブロードバンド大国の日本人としては、頭に血が上ってくるため、パソコンの背中を窓に向け、ビーチの公衆WiFiを拾おうとする。これが上手く行った。感度は「非常に強い」を指している。しかし、である。やたらと遅い。仕様に耐えない。イラッ。

 ところで、ハワイといえば、「ALOHAnet」である。アロハネットワークは、1970年前後に、ハワイ大学のノーマン・アブラムソン氏などが作り出したコンピュータネットワークである。後の1972年には、かの、ARPANETとも繋がるネットワークで、パケット通信の歴史においては、語らずにはいられない、イーサーネットに強い影響を与えた技術である。その「ALOHAnet」であるが、今日のWiFiと技術的に非常に近いといわれている。例えば、WiFiでよく使われる802.11bだが、これはごく簡単に言ってしまえば、ユーザーが増えれば増えるだけスループットが劇的に低下するのである。従って、実は、WiFiは「公衆」には向かないのである。そこに来て、iPhone、iPadブーム。海外からの旅行客は3Gなんぞは使いたがらない。(日本は、7/21から海外の3Gも定額になるようだが・・・by @masason)。昼間はビーチで右を見ても左を見ても、iPhoneやラップトップだらけだ。この時間帯は、さすがにスループットが遅い。そして夜。部屋に帰った人たちは、ワインを片手に、公衆WiFiに繋いでいるのだろう。夜は夜で遅い。それもすべて、ホテルのネットが有料だからじゃないのか?たまに、スピードが出るときは、急いで仕事をして、急いで、tweetする。そんなストレスフルなネット環境が続いたのであった。

 ハワイは島である、西海岸からだって、ジェットで5時間はかかる。海底ケーブルの敷設、そして、島と島の間の通信網の整備など、インフラに資金が掛かるのは、よくよく考えれば理解できる。従って、ホテルのインターネットが有料なのも理解しなければならないのかもしれない。ただ、そこは観光で成り立っている州。これからの時代、インフラ整備に是非頑張ってもらいたいと思った次第だ。

 ところで、6年程前にギリシアへ行ったとき、メインランドのホテルのネットも無料、離島(ミコノス島だった)などは、WiFiが飛んでいて、人も少ないこともあってか、快適なネットライフを過ごすことができた。同じく離島のspgのホテルだったが、こちらはインフラ事情が違ったのだろうか。さらに、ニューヨーク⇔東京間で、いくつかの航空会社が試験的に提供していた、インターネットサービスは目から鱗だった。私の記憶に間違えがなければ、すでに全航空会社が採算性の問題から、このサービスから撤退しているが。なにせ、電源も供給され、パソコンがブロードバンドでネットに繋がる。しかも、その時、私はヘッドセットも持ち合わせていたから、Skypeで無料で電話だってできた。手元についている、クレジットカードを通す飛行機の電話機では、相当な料金が取られる。多分、このサービスはその内、復活するだろうから、日本でいう、アジルフォンのようなソフトフォンのインターネット電話サービスを利用していれば、そこに電話だってかかってくるだろうし、会社からの転送電話もreachableだ。しかも、飛行中に、だ。まさに、飛ぶオフィス。さながら、エアフォース・ワン、といったところだろうか。

 日本も、新幹線のN700系でサービスがスタートしている。私は出張が豊橋止まりなので、N700系には乗れないのだが、このサービスも広がるだろう。JRや地下鉄も先月くらいから、非公式に、地下でも電波が通じる箇所を増やしはじめている。

 さて、とめどもなく書いてきたコネクタブルな世界だが、もう、そこまで来ている。しかし、である。WiFiは、広い領域や多くのユーザーをカバーするには、難しい技術である。一方で、携帯電話会社が持っている電波の帯域というのは、データ通信においても、広域で多くのユーザーをカバーできる。商業的には、いわゆる「無線LAN」サービスよりも、携帯電話会社系のインターネットサービスの方が伸びる可能性が高いと感じるのである。

 帰国の日、ホノルル空港で人生で初のオーバー・ウェイトによる、50ドルのペナルティーチャージを受けた。27kgまで、とされるところを、30.78kgで、ペナルティ。厳しすぎやしませんか?その根拠を調べたが、ネット上でなかなかみつからない。どなたかご存知の方がいらっしゃったら、コメントをいただきたい。たった、3-4キロで50ドルって高くないですか?あるいは、その3-4キロが命取りなんです、みたいなコメント嬉しいです。どこを見ても、なんで、27kgなのか、なんで、50ドルなのかが書いていなかったので。


代表主任研究員(T) 専門:情報産業論、メディア技術論

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